南ア深南部 黒法師岳周回ルート
2026/8/10-11
荻原(記)
深南部 黒法師岳周回ルートを歩いてきました。計画は南アルプスをよく歩かれている方のブログを参考にしました。予備日は都合で緊急時以外作れなかったので、初日に房子山に不達の場合は翌日折り返す事にしました。
水補給計画が肝で水場を確認、但し当日の出具合や詳細位置は不明、到達位置も不確定なので基本は1.5日分を担ぐ事にしました。
◆8/10
五樽沢ノコルの水場は、南面を40m程降りた所にチョロチョロの源頭があった。
三ツ合山が近づくにつれ、笹が濃くなり深南部の様相となる。同時にブヨ、大量の小蝿に悩まされはじめる。三ツ合山から千石平へはかなり悪い痩せ尾根。小さな巻きも切れていて乗る気になれず、木の根を悪いクライムダウン。鋸山からは笹薮が一層深くなり、トレースは消え消えで時間がかかる。笹原を横切る鹿が実に多い。10時間を超えてから息が上がりますますペースダウン。この痩せ尾根を引き返すのは御免だと思い、なんとか房子山に到達し幕。夜半に幕の側を駆ける鹿の音がした。
◆8/11
バラ谷の頭までの深い笹原の尾根は、ヘッデンで銀色に光り雪原にも似た異世界の暗黒の海を漕いでいる様だ。バラ谷の頭からの深い笹薮の急下降は、朝露で非常にスリッピーな為、ヘッデンでは降りたくない。バラ谷の頭を降ったコルの水場は、黒法師岳を軽量で往復する為と時短の為に、残量と照らし合わせてパス。黒法師岳の登りは深い笹が急登で目の高さになり、それが朝露飲み放題となり美味いと声を出して登った。黒法師岳を超え、丸盆を望むも遠さと笹薮のあまりの深さに辟易し、キャンセルも頭をよぎった。黒法師岳は3方から登り降りしたがいずれも深い笹薮で、まるで沢の詰めか巻きの様。黒法師単独で考えれば楽しい笹薮だが、この遠さとここまでの薮漕ぎにお腹一杯。二ツ山を越えた辺りで100m程先の笹原に大きな熊の成獣を発見。鈴を鳴らし続け声を出していると、こちらを凝視して興味があるかのような反応!まずい、この距離ではあっという間に詰め寄られる。今度は手を叩いてみると、途端に驚いて逃げていった…。パンッという音が銃声の様に聞こえたのだろうか。とても可愛かった。ヘリポート近くの水場は、林道から20m程沢を降った所にチョロチョロの源頭があり、実に美味かった。下降はラインによっては少し悪い。トレイルから林道に直接降りる事も考えたが地形図から急で無理だった場合の時間ロスを嫌い、急がば回れとした。実際には急登の踏み跡らしきものが見えたので、ショートカットできるのだろう。ヘリポートに戻ると、先程は無かった熊のものと思われる落とし物をザックの側に発見…。林道を進むと、先方に熊がいて今度のはすぐ逃げていった…。先程の落とし主だったのだろうか。
ルートの先に大きく立ちはだかるのは前黒法師岳。黒法師より大きくも見える。まさか最後にあれ登るのか、なんで最後にあんな大きなものを越さねばならんのかと思う。前黒法師からの降りがこれまた実に長い。等高線の広さに対し人の小ささを思い知る。つい駆けてしまうと、心臓爆発しそうになりペースダウン。登山口に降りたつ最後の高低差30m程の降りは道も仮設階段も崩壊しており、トラロープや生木の枝でトラバース&クライムダウンで岩場の取付さながら。人の手を加えたものが一番難解に感じた。
行ったことのない、人のいない山奥で久々にどっぷり山に浸れました。歩ききった充足感は大きく、来て良かったです。出会った生き物、熊2匹、鹿多数、蛇2匹。フィジカルに対し行程に無理があった点は反省。寸又峡の湯に浸かれなかったのが悔やまれます。


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