●掲載山岳
■山 形
鎧岳 静けさを愉しむ山 11
三方倉山 迷惑メール撃退法 12
矢引峰 落ち着ける里山 15
三足一分山 とにかく驚いた 16
八久和山 春の山は美しく 19
離森山 ラーメンにも春の香りがいっぱい 21
高安山 個性的な三つの頂 25
赤見堂岳 期待を裏切らない山 27
葛城山 十分な景色とおみやげまで 30
常願寺山 古都の薫りが 32
甚六山 山々に抱かれた山 34
枡形山〜化穴山 最後まで気が抜けず 37
袖朝日岳〜大朝日岳 三つの朝日岳 41
徳網山 手応えを感じた山 45
足駄山 すぐ後ろで、二度も雪崩が 47
柴倉山 三角点は藪の下 49
合地峰 北風の舞う頂 50
勘倉峰 勘が狂った勘倉峰 53
岩井沢山 狭い山頂から笑いがこぼれ落ち 58
荒沢山 立派な岩壁が 59
浜風峰〜沖山 褐色の海原を漂って 61
ユウオン峰 何度も眺めてきた、岩壁の上に立って 64
間ノ瀬山 あまり顧みられることのない山 66
極楽山 ごく楽に登れる山? 68
大花山 さらに長靴はボロボロに 69
大塚山 藪にもぎ取られたカメラ 71
■新 潟
ジャ林山 冬でも手軽に登れる山 75
重蔵山 また、おろかな血が騒いだ 76
堀切峰 青空とブナの新緑と残雪と 78
笹原山 二度下った山 81
三額山〜新保岳 春の輝きを追って 83
喜助峰 山頂での再会を目指して 86
前山 すでに奥三面に人影はなく 89
烏帽子山(鹿瀬町) 遠い山頂 90
水晶峰 名前もまぶしい山 93
筆塚山 緑が全身にやきついた山 95
二倉山 ひたすら下って山頂へ 97
奈羅無登山 近付いてはならん山だったのか 99
戸屋山 さわやかな人々との出会い 102
袴越山 あなどれない小さな山 104
船窪山 あこがれの清流を求めて 107
笠倉山(上川村) 別ルートもやはり手強く 109
矢筈岳 うらめしや、まさかのビバーグ 112
傘山 傘の先端に立ってみたが 116
駒形山〜小金花山 あきらめていた山路 118
毛無山 ふところ深い、川内の山 121
黒姫 山頂には広大な雪原が 124
高倉山 予期せぬ山頂 127
笠倉山(湯之谷村) まさか、山頂手前で引き返すとは 129
霧ヶ岳 名前に惹かれて 131
桂山 古狸の棲むところ 132
ネコブ山 ウサギの耳先のような山 135
放山 記録的な山 138
阿彌陀山〜烏帽子岳 暗黒の地で見たものは 140
三頭山 勘違いして登った山 144
容雅山 名前も姿もいい山 146
昼闇山〜鉢山 一回目は届かなかった山頂 148
風野山 標高差は、たった150r 151
烏帽子山(鹿瀬町) 人跡まれな尾根を辿って 153
景鶴山 帰りにちょっと初泳ぎ 156
■福 島
大桧沢山 湖面から立ち上がる気になる山 163
最登山 宇宙を見つめる巨大な顔 165
高曽根山 高そうな山、高曽根山 166
蝉峠山 ゆったりできる山 170
竜ヶ岳 一見の価値あるコロシアム 171
赤羽根山 芽吹きで山は赤く燃え 173
黒男山 深まる秋のおだやかな山頂 175
岳山 ただただ白かった 177
湯の岳 平凡な山頂も、それなりにうれしい 179
洞巌山 心やすらぐ会津の山 180
笠倉山 その姿は、遠方からもよく目立ち 182
袖の窪山 ブナの森は、やはり美しく 184
深入山 静かな山との、つかの間の逢瀬 186
石喰山 静粛をほしいままに 188
高羸山 なぜ、カタツムリの山 190
大妻山 しっかり根を張っていれば・・・ 191
苧巻岳 藪から探り当てた三角点 193
思案岳 知らん顔ができない山 196
鳴山〜戸板山 小さな縦走、大きな眺め 197
滝ノ沢山 たまには美女に囲まれて 199
鎌倉山 はたして秋の味覚は 202
神籠ヶ岳 人なつっこいおやじに見送られ 205
鍵金山〜館の腰山 奥会津の人情にふれて 208
下向山 人生を考えさせてくれる山? 210
高倉山 道路は雪、三角点も雪の中 212
松茸山〜館垣山 松茸はなくても 214
裸沢山 山を観る山 216
村杉岳〜横山 陸の半島で見たものは 218
辰巳山 おだやかな冬の陽射しを浴びて 222
突滝沢山 大漁の山 224
大幽山 三角点は語ることなし 226
関の山 どこかで聞いたような名前の山 228
尾白山〜丸山 ズバリ丸山 230
丸山岳 暗く長い下り 232
布引山 名前のごとく長い山頂 237
倉淵山〜山毛欅沢山 橋が動いて、ふたつの山に登る 239
家老岳 人気のある藪山 243
真名板倉山 どんと大きな山容 245
大殺山 もしかして、森の女神との出会いが 246
枯木山 力を試してくれる山 250
長須ヶ玉山〜孫兵衛山 白昼の暗い森 253
[コラム]
春の山 24
登山計画書 57
不時露営 115
何故、山へ 158
装備 169
山仲間と山岳会 201
秋の味覚 204
同行者 236
あとがき 256
●抜粋
「鎧岳」
ヨロイダケ・687m 二万五千図「山五十川」
―静けさを愉しむ山―
南の別の山に行くつもりだったが、天気があまり良くないのでこの山に変更した。山菜採りだろうか、畑や野原にちらほらと人の影が見える。茅ノ沢川近くの登り口まで行くと、思いがけず踏跡があり、地主の物々しい看板も立っている。人に会わないことを願って杉林に踏み込む。しっかりとした踏跡があり、曲り角ごとに何か重いものを引きずったような跡がある。材木でも降ろしたのだろうか。木立ちの中をゆるく登って行くと、前方がひらけ小屋がある。小屋の脇にバイクがあり、男がワラビを採っている。
山菜採りと間違われてひと悶着起す前に、こっちから鎧岳のことを訊ねる。ここは休耕田で今はワラビを作っているとのこと。沢には大きな滝はなく何とか登れそうで、藪がない分尾根よりは楽とのこと。教わった通り水路跡を辿って茅ノ沢川に入る。何度か枝沢が左右から合わさるが、本流から外れないように登っていく。時折、小雨がぱらつくが五分ほどで止む。
広い草原が現れて、流れを辿ることができなくなる。左の斜面をへつってみる。フジの紫が、緑一色の中でひと際目立っている。足元は急で、石も多く油断できない。尾根に出るとケモノミチのようなうすい踏跡がある。鞍部から笹が多くなる。先ほどの人が、昔は炭焼きに入っていた、と言っていたが鋸の跡もある。小規模なブナ林になると藪が少なく歩きやすい。山頂に近づくと灌木藪で、葉も多く見通しがなくなる。雨が降り出し、振り返ると温海岳が霞んでいる。主稜線に出て左に行く。ゆるい起伏の先に小さな 林があり、その片隅に雨に濡れた三角点があった。静かであること以外は、何もない山頂だった。もっともそれを求めて来たのだが。 |