山の本倶楽部 活動内容
- A. 倶楽部通信の発行
- 年4〜5回発行。
連絡事項のほか、会員の原稿(作品)や山行報告、講演などを掲載。
- B. 新刊本・既刊本の割引販売
- 白山書房発行の新刊本(2割引)、既刊本(1割引)を割引購入できます。
※新刊本は発売前の予約に限ります。
- C. 登山用品の通信販売
一流ブランド品を割引販売(約3割引)いたします。
テントや雨具などの割引販売を倶楽部通信でご案内いたします。
- D. 講演会(不定期)
- E. 会 費
- 入会金(初年度のみ) 10,000円、年会費 4,400円
※小社へ「山の本」を定期購読予約(5,600円)をされる方の年会費は
10,000円(4,400円+5,600円)になります。
F. 山 行
山行内容は、日帰りの山から山菜採り、沢歩き、秘境の山まで企画しております。
- 受付は電話申し込み順。
2010年度 山行企画
1. 中央線沿線・岩殿山縦走[秀麗富岳12景の岩山縦走]
日程=2月14日(日) 定員=10人(一般向)
2. 御坂・黒岳[御坂の最高峰から富士山を眺望]
日程=3月13日(土) 定員=7人(一般向)
3. 北信・鍋倉山[残雪のブナの森を登る]
日程=4月24日(土)〜25日(日)(山荘シュラフ泊) 定員=7人(やや健脚者向)
4 奥只見・平ヶ岳[長大な鷹巣尾根から湿原の山頂へ]
日程=6月19日(土)〜20(日)(空身登山、下でテント泊) 定員=8人(健脚者向)
5. 越後・守門岳[ヒメサユリの咲く草原へ]
日程=7月3日(土)〜4日(日)(山荘泊) 定員=8人(一般向)
6.中ア・安平路山[中央アルプスの寂峰]
日程=9月25日(土)〜26日(日)(避難小屋泊) 定員=6人(一般向)
7. 南八ヶ岳・西岳〜編笠岳[短時間で大展望の山頂へ]
日程=10月16日(土)〜17日(日)(太陽館シュラフ泊) 定員=10人(一般向)
8. 奥秩父・鷹見岩[静かな絶頂からスゴイ絶景を堪能]
日程=10月31日(日)(前日午後集合、前夜に焚火キャンプ) 定員=8人(一般向)
9. 忘年山行(山は未定)
日程=12月4日(土)〜5日(日) 八ヶ岳美濃戸口・太陽館 定員=20人(一般向)
[講習会](登山ではありません)
1. [山菜教室]講師:大内尚樹氏 場所:東頸城・刈羽黒姫山周辺
日程=6月12日(土)〜13日(日)(ロッジ泊) 定員=10人
2. [キノコ教室]講師:大内尚樹氏 場所:越後・守門岳周辺
日程=10月2日(土)〜3日(日)(ロッジ泊) 定員=10人
[Special Plan]
1.秘境の山旅 7月17日(土)〜19日(月) 焼石連峰・三界山
2.花の山旅 7月31日(土)〜8月3日(火) 和賀岳・真昼岳
3.日本の沢旅 9月11日(土)〜12日(日) 吾妻連峰・前川大滝沢(滑川温泉泊)
●入会申込は現金書留にてお申し込みください。会員証を発行します。
都合により退会しても、いつでも復会できます。
〒193-0844 東京都八王子市高尾町1957-4 白山書房内 山の本倶楽部
TEL 042-669-4720
皆様の花の写真をお寄せ下さい。
スライド、紙焼き、デジタル なんでも結構です。
デジタル写真はJPEGファイルにしてEメールでお寄せ下さい。
花の名前、撮影場所、撮影時期を書き添えてください。
越後・守門岳[ヒメサユリの咲く草原へ]
日程=7月3日(土) 参加者=8名
「登山口へ直行します」とリーダーに告げ、私たち川越びとは、栃堀集落から地元会員ヤヨさんに先導してもらい走ったが、山間部に適した田舎のベンツ(軽トラ)を追うのは忙しかった。あっという間に離されてしまう。午前十時半、標高八〇〇mを越えている保久礼登山口に着く。駐車場ではめまいがするような陽射しを浴び、こんな炎天下を登るのかと暫しユウウツ。待つこと数分で白山ワゴンが到着、車内からこぼれるように四人降りてきた。顔見知りの福岡びとと川崎びと、初対面の町田びとと静岡びと。これで全員、また後でと、現地びとは家事都合で帰宅。
避難小屋脇から階段の急登が始まる。空は雲が広がり陽射しはなくなるが、風もなく汗が吹き出る。小さいブナ林があったり、コシアブラに目がいったりと周囲の樹木を見やりながら、チンタラ登って行けば階段は終る。リーダー呟く。「最近はこれがいいんだ」クエン酸がどうのと乾燥梅を取り出す。「そうなんですか」と一つもらう。ん、酸っぱさは無く甘味がある。これのどこに効能があるんだ、一つじゃ判らない。もう一つと手を出そうとしたが、一袋千円発言を聞けば、おねだりは遠慮する。
今回の山行サブタイトルは「ヒメサユリの咲く草原へ」である。開花状況が早いの遅いのと情報が錯綜するも、咲き具合は行ってみないと判らない。だから登ってきた。標高一三〇〇m付近で待望の一輪。あった、あったと皆さんカメラ。登りの辛さが消えていく。
一四三二mの大岳到着。祠に大きなローソクがあったり、鐘があったり、三角点があったりと岩混じりで眺めもないせせこましい山頂である。予定通りに昼食タイムとなったが、行動時間が押しており、ビールを飲まない健全な昼餉はすぐ終る。

大岳1432mにて昼食タイム ピンクの濃いヒメサユリ(網張への途中)
大岳からは南へ展望の広がる斜面を二〇〇m位下降して行くが、ここがヒメサユリ観賞スポットであった。幾筋かの雪渓を残し優美な緑の山容が視界いっぱいに広がる。これぞ越後の山。足元にはヒメサユリの群生。その咲き方は華やかで個性的、可憐な少女風、楚々とした淑女風、ワタシはどうと絶倫風、皆さんカメラ、カメラ。東北の限られた所でしか見られない姫小百合さん大勢のお出迎え。いやあ、来て良かった。体感してこそわかる、山には感動と出会いがある。開花にどんぴしゃりの計画、リーダーは散歩の達人です。

大岳から網張へ下降途中(正面の最高峰が主峰の袴岳1538m)
青雲岳に登り返す(せいうんの読みではなく、あおくもが地元の呼称と下山後知らされる。うーん、悩ましい)。草原状の山稜にはニッコウキスゲが多く見られるが、こちらはまだ蕾みだった。サブタイトルに満足したようでリーダー呟く「あそこは行きたい人だけ行って」と、メインタイトルの守門岳主峰を指差す。リーダー指示なら仕方がない。じゃあ行って来ますと川越びと二名とベジタリアン、ゆっくり十五分歩けば二等三角点のある一五三八mの主峰であった。曇りで遠方は霞んでいるが、近場の浅草、越後駒、八海、粟が見えた。ベジさんが暑さで苦労したという未丈は同定出来なかった。すぐ隣の怪峰とでもいうべき烏帽子岳が印象的。ベジさんにミカンを貰う。重荷を苦にせず担ぎ上げる気鋭のベジさんはいい人です。
三々五々それぞれのペースで往路を戻り、車移動で道の駅で再集結。家事を都合したヤヨさんの先導で八木ヶ鼻の「いい湯らてい」にドボン。汗を拭い身を清めればすでに日没。暗闇を走り宿に向かう。かつて小学校であった「よってげ邸」、あれこれの食べ物と飲み物、倶楽部会員の過去・現在・未来を憂いつつ歓談は尽きず、気が付けば0時半。もう寝なくちゃとお開き、大広間のフトンに入る。
翌朝は雨、昨日登れたのはラッキー。晴女晴男の集まりだったんだなあ。朝ソーメンを食べ玄関前で解散。じゅあ、皆さん叉ね。 (大村征男・記)
秘境の山旅 焼石連峰・三界山 7月17日(土)〜19日(月)
参加者=6名
焼石連峰の三界山(一三八一m)の名を石井光造さんから聞いたのは、かれこれ十数年前の事であった。「焼石沼から見る三界山はピラミッド型で格好いいのに道が無いから魅力的だよ」。それを突然に思い出して昨年の秋にスペシャルプランとして企画し、猛者五人が勇んで出かけた。
南本内岳の登山道を利用し、三界山まで僅か一五〇〇mの藪こぎをこなせば、山頂に立てると脳天気な隊長は目論んだ。しかし、この思惑はすぐに砕け散った。身を没する笹と足元には石楠花の灌木という予想外の激藪に阻まれ、四〇分で一〇〇mも進めなかったのである。隊員一同は翌年のリベンジを誓ったのだった。(この顛末は通信66号に掲載)
今回は入念に作戦を練った。登路は沢に設定し、沢靴、ハーネス、ロープを用意した。さらに、クマ対策として、クマ撃退スプレー、夜はテントの周囲に設置するソーラー照明(庭によく使用されている)四つを持ち込み、万全の態勢をとった。 初日は、秋田県の東成瀬村三合目登山口からベースキャンプを張る焼石沼まで。午後二時に歩き始めるが、暑くてペースがあがらず、沼に五時頃に到着。(昨年は二時間強だった)

焼石沼のテント場。素晴らしい山上の楽園である(但し朝晩にヌカカが襲ってくる)
テントを張り終え、入山祝いをする段になってヌカカが大群で襲って来た。去年は登場しなかった敵に遭遇し、「そうか今回は夏なんだ」と妙に納得。今度は雷が近づいてきて、稲妻が横に何度も走る。以前に雷で悲惨な体験をしているSさんは恐怖におののいて一人離れてしゃがみ込んだ。我々は少しでも低い姿勢がよかろうと、横になったまま酒を飲みつづける。そのうち雷雨になり、テントに入って入山祝いをつづけた。その晩は、Sさんが背負い上げたソーラー照明のお陰でクマは現れなかった。
翌朝は一時間も間違えて四時に起こされる。もっと寝ていたいのに……。外に出ると早くもヌカカの攻撃だ。防虫ネットを被って朝食をとる。

焼石沼付近から見た三界山1381m(左の山。登山道は無い)沼の周辺には夏はミヤマキンポウゲが群生
晴天である。沢仕度をしながら気合いが入る。Wさんが「源流から下降するんですよね」と確認する。昨日、沼に上がってくる時に、沢への下降点を探しながら歩いてきたが、よいポイントが見つからなかったので、隊長は下から遡行するか源流から下降するか迷っていた。源流からの下降に決断する。このときSさんが「今日は体調がいまひとつなのでリタイヤします」と宣言した。これを聞いた隊員一同は「えっ?」。
五人はテント場から水平に藪をこぎ、水流わずかな源流に出た。田圃のような湿原を横切り、やがて水音のする所へ向かうとU字溝のような沢に出合い、それを下降して行く。また湿原になり、Wさんが「私たち、なんか川口探検隊みたい」と言ったので、隊員は笑うしかなかった。
そのうち源流から沢と呼べる形態になり、朝日を浴びながら気持良く下る。誰彼となく「やっぱ、夏はウォーターウォーキングだよな」と口からこぼれる。ナメ滝が現れ、嬉しさをこらえきれずに笑顔で下降してゆく。

胆沢川の源流からいよいよ下降開始! ナメ滝を気持良く下る
登路となる右岸の支沢を探しながら下るも、地形図で支沢が流入する標高一一七〇mまで来ても、それらしき支沢が現れない。源流から四〇分ほど下った標高一一〇〇mあたりで顕著な支沢が流れ込み、入口に赤布が付けてあった。これで登れるという希望と、なんだ人臭い山なのかという落胆の気分が同時に湧いた。
支沢に入ってすぐに五mのスラブ滝に阻まれたが、右側から灌木に掴まって越える。その後は順調に高度を稼ぎながら遡ってゆくと、またもや枝沢の出合に赤布が掛かっている。この枝沢は山頂直下に突き上げる傾斜の強い沢と判断し、見送ってそのまま進むとすぐに藪が覆い被さってきた。これでは鞍部までずっと藪こぎになるので、引き返して赤布の付いた枝沢を行けるところまで登ってみることにする。
枝沢を詰め上げていくと、緩傾斜のままやがて藪に突入し、僅かの藪をこいだだけで鞍部に到達した。山頂らしきピークが近くに望め、あとは藪の密度次第だ。隊員の顔に笑みがこぼれる。鞍部の北面直下には二つの池塘があり、ここまで上がってこないと見られない幻の池塘だ。

鞍部から尾根の藪をこいでいく。左が山頂 ついに山頂に立つ
気合いを入れ直して尾根通しに踏み入ると、なんと藪は腰までで、石楠花も所々にあるだけだ。これで勝負あった! 爽やかな夏の風が尾根を吹き渡り、ミヤマキンポウゲ、ハクサンフウロ、テガタチドリ、ミヤマシシウドなどが歓迎してくれる。笹を掻き分け、青空に向かって一歩一歩高度を上げていくと、藪が切れて山頂に飛び出た。
固い握手で感動を分かち合う。眼下に胆沢川が流れ、その源流には焼石沼と我々のテントが、その上部には焼石岳本峰と南本内岳が、遠くに栗駒山と鳥海山までも望まれる。さすがに山頂には標識は無く、三等三角点と国土地理院の白いポールが立っているだけだ。山頂の憩いを小一時間味わい、再訪することはないであろう山頂を辞した。
ゆっくりと鞍部まで戻り、我々が付けた赤布を回収して沢を下る。一時間で胆沢川へ降り立ち大休止。誰かが「登山道を歩いて沼へ戻るのは暑いから、この沢を沼まで歩きましょう」と言う。グッドアイディアだ。
夏の陽が照りつける中、本流をバシャバシャと遡ってゆく。これぞウォーターウォーキングといえるしばしの沢歩きの後、左岸の支流へ入るとすぐに登山道に合流し、そこは「長命水」の水場だった。冷たい甘露水で喉を鳴らし、五分歩いて沼畔のテント場へ戻った。
しばらくして焼石岳本峰と南本内岳を歩いて来たというSさんが戻ってきて、「まさかこんな早い時間に三界山に登って帰ってくるとは思わなかった」と言った。そして隊員が「朝は誰もが山頂に立てるとは思っていなかったんじゃないの」と続ける。さらにSさんが「焼石岳から見下ろした三界山は、なんのことはない山に思えた」と宣まった。私の胸の中で今まで熱く燃えていた三界山への情熱が、へなへなとしぼんでいったのだった。 (MINO記)

登頂祝いは遅くまでつづいた
■タイム(7月18日)=焼石沼6時20分―胆沢川源流6時30分―支沢出合7時10分―枝沢出合7時40分―鞍部8時10分―三界山頂上8時50分〜9時40分―鞍部10時―胆沢川本流11時〜20分―焼石沼12時20分
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